「ビルメンの宿直は楽だ」と言われたり、「いや、楽じゃない」と言われたり、ネットの情報は割れています。
私は介護職を3年やったあと、独立系のビルメンに切り替えて、いまも宿直勤務を続けています。年収は介護職時代の約300万円から約380万円に増えました。
この記事では、宿直の1日を朝9時の朝礼から翌朝9時の引き継ぎまで、時系列でそのまま書きます。
介護夜勤と比べてどう違ったか、楽な側面と楽じゃない側面の両方を、できるだけ正直に並べました。
「ビルメンの宿直って、実際どんな1日なのか」を、いま検討している人の判断材料になればと思います。
宿直の1日タイムテーブル|9時朝礼から翌9時引き継ぎまで
私の現場の場合、宿直はだいたい次のような流れで動いています。会社や現場によって幅はありますが、独立系・宿直勤務の1例として読んでください。
| 時間帯 | やること |
|---|---|
| 9:00 | 朝礼・引き継ぎ |
| 9:00〜12:00 | 設備点検・巡回 |
| 12:00〜13:00 | 休憩 |
| 13:00〜17:00 | 設備点検・巡回・記録作成 |
| 17:00〜19:00 | 夕方の対応・日勤者の引き継ぎ受け |
| 19:00〜翌1:00 | 中央監視室で待機 |
| 1:00〜6:00 | 仮眠 |
| 6:00〜9:00 | 起床・朝の点検・引き継ぎ準備 |
| 9:00 | 引き継ぎで勤務終了 |
朝9時〜夕方17時:点検と巡回が中心
午前中は朝礼を済ませて、その日の点検項目を確認します。空調・電気・給排水・防災設備など、決まったルートを順番に回ります。
午後も基本は同じです。点検と巡回、見つけた小さな不具合の記録、業者からの問い合わせ対応。日勤者と一緒に動いている時間が長いので、宿直特有の静けさはまだありません。
19時引き継ぎ〜翌1時:中央監視室で待機する時間
日勤者が帰ったあとは、宿直者が建物全体の責任を持ちます。多くの時間は中央監視室にいて、警報や問い合わせがあれば動く、という体制です。
何もない夜は、本当に何もありません。設備を見て回るだけの時間が続きます。宿直の夜は、2時間誰とも話さないことがあります。
仮眠1時〜6時/6時起床〜9時引き継ぎ
夜中の1時ごろから仮眠に入ります。仮眠といっても、警報が鳴れば起きて対応するので、深い睡眠とは違います。
6時に起きて朝の点検をして、9時に日勤者へ引き継ぎをして、宿直は終わりです。
夜の中央監視室で、本当は何をしているのか
ここがいちばん「宿直って何してるの?」と聞かれる時間帯です。
警報が鳴らない夜は、本当にやることがない
19時から翌1時ごろまで、何もなければ本当にただ待機しているだけです。それが宿直の実態です。
設備の数値を眺めて、巡回ルートを1〜2回回って、戻ってきて、また監視盤を眺めて。テレビをつけているわけでもなく、誰かと話しているわけでもない。静かに時間が流れていきます。
報告書作成や、その日の記録の整理
ただ座っているわけではなく、日中に見つけた不具合の記録や、定期点検の報告書を作る時間に使います。日勤の業務を、夜の落ち着いた時間に整える感覚に近いです。
「これでお金がもらえていいのか」と最初は戸惑った
初めて宿直に入ったとき、正直に言うと「これでお金がもらえていいのか」と思いました。介護夜勤との落差が大きすぎたんです。介護では夜勤の8時間、ほぼ立ちっぱなしか動きっぱなしでした。宿直で「ただ待機している時間が仕事」と教わったとき、最初は受け入れるのに少し時間がかかりました。
何もない夜ばかりではない|動き続ける宿直もある
「楽な仕事」と言われるビルメンですが、宿直の現実は読めません。
工事業者対応で受付が止まらない日
工事業者が出入りする日は、受付や入退館管理、エレベーター操作、立ち会いなどが続きます。日中の延長線で、宿直時間帯も動き続ける日です。
深夜の漏水・停電・警報トリップ
漏水やブレーカートリップで、深夜に急対応する日もあります。寝ているところを叩き起こされて、現場に走るような夜です。予測できないのが宿直の現実です。
関係のない問い合わせ電話
管理しているビルとは関係ない問い合わせ電話がかかってくることもあります。なぜここにかけてくるのか意味不明なこともあります。それでも電話を取って対応するのが仕事です。
何もない夜と、何もある夜の振れ幅が大きい。ここはビルメン宿直の実態として、書いておきたいところです。
介護夜勤と比べて感じる「疲れの種類の違い」
介護夜勤を3年経験してから宿直に入った身として、ひとつだけ書いておきたいことがあります。
介護明けは「精神も身体も両方くたくた」でした。ビルメン宿直明けは、寝不足はあっても、心が疲れている感じが薄いです。同じ「夜勤明け」という言葉でも、明けたあとに残る疲れの正体は別物でした。
「介護で夜勤をやっていたから宿直も慣れると思った」というのが転職前の心理的ハードルを下げてくれた感覚でしたが、実際にやってみると別物でした。
勤務体系全体(シフトの組み方・休みの取り方・身体負荷の比較)については、別記事で詳しく書いています → 介護職の勤務体系がきつい理由と、ビルメンに変えてわかった違い
楽な側面と、楽じゃない側面
宿直の実態を書くなら、両方並べないと嘘になります。
楽だと感じる場面
- 勤務時間あたりの裁量が大きい(何もない夜は本当に静か)
- 設備が相手なので、相手の感情を読む必要がない
- 月の出勤日数自体は少ない傾向
「これでお金がもらえていいのか」と最初に思った感覚は、いまも消えていません。それくらい、介護時代との落差は大きかったということです。
楽じゃない場面
- 深夜の急対応はやはりきつい
- 脚立作業で高すぎて一瞬頭が真っ白になることもある
- 現場ガチャ(配属先によって忙しさが激変する)
- 警報が鳴るかもしれない緊張は、待機中ずっと薄く続いている
特に脚立作業は、得意でも苦手でもないですが、「高所は安全第一・無理なものは無理と言える」が大事だと現場で学びました。楽な仕事に見えても、身体がヒヤッとする瞬間はあります。
「楽」は条件が揃った結果
正直に書くと、いまの仕事が楽に感じるのは、会社・現場・同僚など条件が揃っているからです。その自覚があるから、知識と経験を積んでおかないといけないと思っています。
「ビルメン=楽」とまとめて書くと嘘になるし、「ビルメン=楽じゃない」とまとめてもまた嘘になる。条件次第、という表現が一番近いです。
まとめ|想像より「静か」で、想像より「読めない」
宿直の1日を時系列で書いてきました。
想像より静かな時間が多くて、想像より読めない夜があって、介護夜勤とは別物の疲れ方をする。これが、私の宿直の実態です。
介護職を続けている友人もいます。腰は悪くなっていきましたが「自分には介護しかない」と決めて、できることとできないことを判断しながら働いています。
趣味もあって、プライベートも楽しそうです。その姿は尊敬しています。
私は、自分には介護が合わなかった、というだけです。
介護からビルメンへの転職は、人によっては極端な選択肢に見えるかもしれません。
でも、自分に合った仕事は極端な方向にあることもあります。
楽に生きるのは、逃げじゃなく選択肢です。宿直の1日が自分に合うか、合わないか。判断材料の1つになればうれしいです。
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